我が家の娘(次女)は芸術系の大学に通っており、この春で卒業となります。
その卒業制作展を見に大学へ行ってきました。
娘の卒業制作のテーマは「日々を紡ぐ、記憶を織る」というタイトルで、糸を紡ぎ、布を織るというのが主な作業となってきます。
布って私達の生活の中でとても重要な物ですが、それを作ろうなどと考えた事って無いですよね。
手芸が好きな方でも、布を買って作る、糸を買って編む等はあるでしょうが、糸を作ろうかな、なんて考える人はまずいないでしょう。
このホームページのタイトルにも入っているように、私はDIYが好きで、日曜大工やオリジナルアイテムの作製などもするのですが、糸を作ろうとは………。
ある意味、究極のDIYですね。
糸の原料としては綿や麻、絹、羊毛等がある事は知ってますが、それが元はどんな風に出来て、それがどうやって糸になるのかまでは、分からないものが多いですね。
今回、娘が主な原料として選んだものは綿(めん)。
そして、愛犬。
はー、これが糸になるなんて不思議ですね。
綿(めん)の方は種から発芽させて育て、実(コットンボール)を収穫して、綿(わた)にします。
そして、愛犬の方はスリッカーブラシなども使い、ワンコ達の抜け毛を集めます。
そう言えば花丸さん、大分痩せたよね。
Max12.25kgあった体重が、最近は10.8kg位だよね。
さて、こうやって集めた犬の毛や綿を、コマのような道具を回しながら、撚っていくと糸が出来るのだそうです。
ちなみに、この道具はスピンドルという、弥生時代の遺跡とかからも出土するくらい原始的な道具だそうです。
不思議ですねぇ。
途中で切れたり、太さがバラバラになる気がしますが、その辺が技術なんでしょうね。

手で回すのはあまりにも大変なので、途中からはガラポン抽選機を魔改造した、糸車を作って作業効率のアップをしました。
こうして撚った糸は鍋で煮ます。
撚った糸がほどけないように、熱を加えて固定する意味だそうです。
ついでに洗剤も入れてきれいにします。
その後は乾燥。
出来上がった糸を、腰機(こしばた)という、とても原始的な自分で作った織機を用いて織って行きます。
道具が簡素な分、織るのに手間が掛かり、効率の悪い織り方になります。
現在でもラオスなどで、用いられております。
極めればとてもきれいに織れる織り機だそうです。
長い時間を掛けて、大変な思いをしながら出来上がり、展示されたのがコチラです。
この作品の内、縦糸は自分で作る糸では強度が不足してしまう事もあり、市販の綿糸を買って、それを綿花を育てるのに使った土を使って染め上げたものを使用しているそうです。
横糸の全てに自分で撚った糸や、育てた綿の木の枝等が使われています。
作っている過程を見てきたとはいえ、こうやって作品として展示されているのを見ると、また不思議な気持ちが湧いてきます。
ワンコ達の毛がこんな風になるなんてねぇ。
空丸、花丸。
君達の達の毛が、こんな作品になったんだよ。
今すぐにでも、連れて来て見せてあげたい!!
ぐちゃぐちゃにされる!!!

使う素材と織り方によって、布も色々な表現が出せますね。
この白い部分は綿です。
ベランダで太陽の日を浴び、オニヤンマ君に守られながら育った綿の木から取れたコットンボールから作られた糸です。
大変な手間暇が掛けられた糸ですね。
ちなみに友情出演のゴールデンレトリバーの毛は、毛足が長いので糸にしやすく、上質な糸が出来たそうです。
花丸の方が良く毛が抜けたので、多くの部分に使われております。

ふむふむ、そうか、空丸は絨毯にもなるんだね。

同じ学部の子達の作品も見ましたが、どれも素晴らしい物でした。
なので、娘の作品はそれらに比べて華やかさはありません。
ですが自分で手に入る素材。
自分で作れる原始的な道具。
そして、原始的な手法。
作品のテーマの「日々を紡ぐ、記憶を織る」。
はるか昔から人類がしてきた、糸を紡ぎ、布を織り、そして染めるという、原点に戻って作った作品です。
大学4年間で学んだ事が、ぎゅっと凝縮されているのだと思います。
娘が苦労して作った姿を見ていますので、感慨深いものが有ります。
娘よ、お疲れさまでした。

そして、ワンコ達への愛を感じますね。
これからも、たくさんワンコの毛を毟って、色々な 作品を作るんだよ。

なりません!!
コメント
次女さん卒業制作内容に驚きました。
オニヤンマなどのネタがすでに卒業制作の伏線になり、そして空花ちゃん抜け毛!?協力、パパさんの説明と複数の力を集約した見事な作品をここで見ることができ驚きと感動です。
この歳になり、糸の制作から学ぶことが出来たことある意味ありがたかったです。
空花ちゃんファミリーからは学ぶことが沢山あり勉強になります。
これからも自分の良き教材として学ばせてくださいね( ´艸`)
コメントありがとうございました。
娘もコメント見て喜んでおりました。