ワンコを飼う事になり、大変だよと聞いていた事の一つが抜け毛です。
柴犬は特に抜け毛が凄いらしいので何か対策をと考え、空気清浄器を作る事にしました。
空気清浄機と言っても、部屋の空気をきれいにすると言う事よりも、ワンコの毛を吸い取ってくれる電動ちりとりの様な物を想定しています。
これにブロアーやサーキュレーターを併用して、空気清浄器の目の前に来た毛やほこりを吸い取ってくれればと期待して作る事にしました。
肝心のファンにはパソコン用の大風量ファンを採用。
予定通りにワンコの毛を大量に吸ってくれるとなると、ゴミパック等の方式ではすぐに溜まってしまうだろうと言う事で、水フィルター方式を採用。
大まかな構想が固まったので、簡単にマンガ図を作ってみました。
上の図の側面図で空気の流れを説明します。
まず、装置の下部から吸い込んだ空気を斜めに付けたファンで、コンテナの中の水の水面に叩き付けます。
これである程度のゴミは取り除けると思います。
その後空気は上部の排気用ファンに吸われて上に行き、消臭用の炭を通過して装置外に排気されます。
水フィルターだけでは、全ての汚れを取りきれないと思うので、排気用ファンの手前には、不織布のフィルターを入れます。
※2019.07現在、予想よりワンコの匂いは気にならないので、消臭用の炭は入れておりません。
では、以上の構想で装置を置く予定のスペース、入手したコンテナのサイズから寸法を決めて、作成に取り掛かります。
フレームにはミスミのアルミフレーム5シリーズを採用。
丸ノコでカットしていきます。
これでフレームは完成。
手前の下側は空気の取り入れ口の為、フレームを付けておりません。
グレーのコンテナに水を入れて、水フィルターとします。
側パネルには6mm厚のMDF材を使用して、アルミフレームの溝にはめ込んで固定します。
今回の設計に一番悩んだのが、空気の通り道や、斜めに取り付けるファンをどのように側パネルに固定するかです。
一番簡単なのは、側パネルの外から木ビスで固定する方法ですが、左右を正確に固定する自信がありません。
そこで思いついたのが、側パネルに6mmMDF材を2枚使用する方法です。
外側はアルミフレームの溝に差し込む事で、ビス等を使わずにアルミフレームにしっかりと固定。
内側はトリマーに6mmストレートビットで溝を掘り、そこにMDFを差し込む事で固定します。
トリマーを正確に真っ直ぐ動かせるように、治具を作りました。
左右の内側に入れるパネルを2枚きれいに重ねてクランプで固定します。
そこに先ほど作った治具を使って、左右のパネルに一度に溝を掘ります。
うまく掘ることが出来ました。
ファンの固定にはアルミ複合パネルを使いました。
3mm厚を2枚重ねて6mm厚にします。
それに、ファンの直径に合わせて、丸穴を開けました。
上手に固定出来ましたね。
内側のパネルに差し込んでいきます。
そして、反対側となる内側パネルを被せます。
外側のパネルを付けて、だいぶ形になりましたね。
正面下側のパネルは、アルミフレームの溝を滑らせることで、上下に動かせるようになっています。
これにより、装置内のコンテナの出し入れや、ゴミを吸い込む隙間の調整が出来ます。
次は操作パネルの作製です。
どうせ見えない部分になるので、手持ちの端材を利用しました。
そして、見える部分にはアルミの板です。
操作パネルには、電源スイッチを兼ねたタイマーとファンの回転数を制御するボリュームの2つを取り付けます。
端材の木とアルミパネルにそれぞれ穴を開けます。
横の隠しパネルを取り付けました。
缶のスプレー塗料で着色。
市販のタイマーを取り付けます。
ボリュームも取り付けて、前から見るとこんな感じ鳴ります。
操作パネルの裏にはスイッチング電源を入れます。
そしてファンへの配線をしていきます。
コンセントはこんな感じで側面から。
上面には排気用のファンに付けるフィルターを簡単に交換できるようにする必要があります。
なので、上パネルには透明なアクリル板を採用し、ツマミねじで取り外しが出来るようにしました。
排気用ファンには金網を取り付け、ここに市販の換気扇フィルターを貼ります。
金網の切り口にフィルターを引っ掛けるだけですが、フィルターが落ちてしまう事はありません。
フィルターはこれを半分に折ると、ちょうどいいサイズでした。
これで一応使えるようになりました。
我が家のリビングを横から見ますと、部屋の中央にどーんとソファがあり、その前にコタツ机があります。
テレビの上に窓が有り、そこには排気と吸気の二つのファンを持つ換気扇が付いています。
そして、天井の照明はシーリングファンになってます。
自作の空気清浄機だけでは、装置手前の埃しか吸ってくれませんが、このシーリングファンと換気扇で部屋の空気を空気清浄器の方に送ってくれるので、たぶんかなりの効果があるのでは。
重たい犬の毛などは、シーリングファンや換気扇のパワーでは動きませんので、ブロアーを使って空気清浄器の方へ飛ばします。
こうなると、もう掃除ですよね。
普通に掃除機だけで部屋中掃除するよりも、シーリングファンと換気扇を回し、ブロアーで飛ばしてやる方が、かなり簡単に掃除が出来ます。
掃除機のヘッドでは取りにくい隅の方も、ブロアならば簡単に吹き飛ばせます。
さらに掃除機も併用すれば、さらに効果的。
我が家ではリビングの掃除は右手にブロア、左手にコードレスの掃除機が定番スタイルとなりました。
ブロアである程度飛ばして、大きなゴミは掃除機で吸い取る。
当然、目に見えないような小さな塵が、部屋中に舞ってしまうでしょうが、それはシーリングファンと換気扇により空気清浄器の方に送られるような空気の流れが出来ていると思うので、そのうち吸い込まれていると思います。
1~2分程度ブロアと掃除機を使い、その後タイマーで10分程度動かしておけば、かなり部屋の中は綺麗になっていると思います。
まぁ、ワンコがいる限り完全に綺麗になる事は無いので、簡単にある程度の掃除が出来るのが便利なところですね。
コンテナを見ると、こんな感じで犬の毛や埃が取れています。
この状態で3か月くらい使ってみて、かなり有効な事が分かったので、さらに改良を加える事にしました。
下の写真のようにかじられたのと、今の状態では排気の風が正面に吹くので、埃が吸い込まれるのを邪魔しているのではと思われます。
そこで、ルーバーを付けて風の向きを上にすることにしました。
既製品で何か使えそうなものは無いかと探してみたのですが、なかなか見つからないので全て自作することに…。
アルミフラットバーをフィンとして、左右に角度を付けるパーツを3Dプリンタで作ります。
まずは左右のパーツを設計。
3Dプリンタで印刷します。
アルミフラットバーをカットします。
問題なく取り付ける事が出来ました。
この空気清浄機は本当に作って良かったと思ってますね。
空気をきれいにするというより、簡単に掃除が出来るのが便利なところです。
ワンコの毛が気になった時も、わずかの時間でリビング中の床の掃除が出来ます。
空気清浄器の左右にワンコのリードを付ける為のフックを付けましたので、ブラッシングをする時にも便利。
ちょっと重いですが移動も出来ますので脱衣所に持って行き、ワンコのシャワー後に乾かす時にも抜けた毛の処理にずいぶん便利でした。
欠点としては予想以上に音がうるさかったです。
これを付けた状態ではテレビをとても見ていられません。
回転数をかなり落とせば音はマシになりますが、吸引力が無くなるので回している意味が無い気がするんですよね。
ファンをとにかくパワーのあるもので選んだのですが、静音ファンを選べばまた違ったんでしょうね。
でも、ワンコの毛を簡単に吸い取りたいという目的を考えれば、良い選択だと思います。
当初、臭い取りの為に炭を入れる予定でしたが、あまり臭いは気にならないので、現在の所は入れていないです。
入れると水フィルターで取れなかったゴミや毛が絡んでしまうでしょうから、もし入れるならば不織布フィルターの位置を変えた方が良いでしょうね。
換毛期の時には大活躍で、ほぼ毎日使うとても便利な、我が家には無くてはならない装置となりました。